日本語能力試験(JLPT) N1とは?過去問・合格率・採用メリットを徹底解説

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ヨロワーク編集部

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外国人採用において、日本語能力の客観的な指標として最も信頼されているのが「日本語能力試験(JLPT)N1」です。

しかし、「N1保有者なら流暢に日本語を話せるのか?」「合格率や難易度はどの程度なのか?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

N1は、日本語能力試験(JLPT)での最上級のレベルであり、合格には高度な読解力や聴解力が求められます。

本記事では、日本語能力試験(JLPT)N1の最新の合格率や試験内容に加え、採用することで得られる具体的なメリットや、雇用時に見落としがちな注意点までを「完全ガイド」として詳しく解説します。

日本語能力試験(JLPT)とは

日本語能力試験(通称JLPT:Japanese-Language Proficiency Test)は、外国人が日本語のレベルを測定する試験で、5つの異なるレベルに分かれています。

この試験は、日本語が母国語でない人々を対象としており、日本語能力試験はN1からN5までの5つの段階でコミュニケーション能力を評価します。
評価の対象は、言語知識、読解力、聴解力です。

ただし、この試験にはスピーキングおよびライティングテストは含まれていません。

TOEIC Listening & Reading Test(IIBC)と同様に、この試験ではスピーキングとライティングのテストは実施されません。
試験の主な焦点は、日本語のリスニングとリーディングスキルを測定することにあります。

日本語能力試験(JLPT)受験者数の推移

2009年から試験回数を年2回に変更し受験者数が右肩上がりになっていきました。
2017年には応募者ベースで初めて100万人を突破し、コロナ禍で一時は減少しましたが2024年は約172万人の応募があり、日本語能力試験(JLPT)のニーズの高さが伺えます。

(出典)過去の試験のデータ | 日本語能力試験 JLPT

JLPTと日本語レベルの目安

あくまで目安にはなりますが、以下が日本語能力試験(JLPT)の認定資格別のレベル表です。

レベルレベル概要読む(リーディング)聞く(リスニング)
N1幅広い場面で使われえる日本語を理解することができる。・新聞のエッセイや評論など、いろんな話題について書かれたちょっと難しい文章や抽象的な文章を読んで、文章のつくりや内容が理解できる。

・さまざまな話題の内容に深みのある読み物を読んで、話の流や詳細な表現意図を理解することができる。
・いろんな場面で自然なスピードで行われる会話やニュース、講義を聞いて、話の流れや内容、登場人物の関係や内容の論理構成などを詳しく理解したり、要点をつかんだりできる。
N2日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる・新聞や雑誌の記事、説明、簡単な評論など、わかりやすい文章を読んで、文章の中身が理解できる。

・一般的な話題について書かれた読み物を読んで、話の流れや何を言いたいのかがわかる。
・日常の場面やさまざまな場所で、自然に近い速さで行われる会話やニュースを聞いて、話の進行や内容、登場人物の関係を理解し、要点をつかむことができる。
N3日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる・普段の話題について書かれた具体的な文章を読んで、理解できる。

・新聞の見出しから、情報の要点をつかむことができる。

・普段の場面で見るちょっと難しい文章も、言葉を変えて説明されれば、要点がわかる。
・普段の場面で、やや自然に近い速さで行われる会話を聞いて、具体的なことや登場人物の関係を考えながら、だいたい理解できる。
N4基本的な日本語を理解することができる。・基本的な語彙や漢字を使って書かれた日常生活の中でも身近な話題の文章を、読んで理解することができる。・日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話であれば、内容がほぼ理解できる。
N5基本的な日本語をある程度理解することができる。・ひらがなやカタカナ、日常生活で用いられる基本的な漢字で書かれた定型的な語句や文、文章を読んで理解することができる。・学校や身の回りでよくある場面で、ゆっくり話される短い会話であれば、必要な情報を聞き取れる。
(参考)N1~N5:認定の目安 | 日本語能力試験 JLPT

 日本語能力試験(JLPT)N1の概要

日本語能力試験(JLPT)N1は、日本語を母国語としない人々が日本語能力を証明するための試験の中で最上級のレベルです。

この試験では、日本語による読解力や聴解力、文法、語彙などを総合的に測定します。
N1の受験者は、高度な日本語能力を持ち、日本語での高度なコミュニケーションやビジネスなどの活動に対応できることが期待されます。

  1. 読解力(リーディング)
    高度なレベルの日本語文章を読み取り、その内容や意図を理解する能力が求められます。複雑な文章や専門的なテーマに関する文章も含まれます。
  2. 聴解力(リスニング)
    高速で話される日本語の会話や講演を聴き取り、その内容や主旨を把握する能力が問われます。日常会話から専門的な議論まで幅広いトピックが扱われます。
  3. 文法・語彙
    高度な文法構造や表現、複雑な語彙を理解し、正確な文を作成する能力が評価されます。様々な文型や表現パターンが出題されます。

J日本語能力試験(JLPT)N1は、日本語を習得し、日本語圏での学術や職業上の活動を行うために必要な高度な能力を持つことを証明するための試験として、国内外で広く認知されています。

日本語能力試験(JLPT)N1の合格者数・合格率

受験者数や合格者数、合格率は年度ごとに変動しています。
2021年7月が最も高い合格率を示しており、その後は合格率が下がる傾向にあります。

合格率は約30%から40%の範囲で変動しており、N1レベルの試験が高い難易度を持つことがうかがえます。

年度受験者数合格者数(認定者数)合格率(認定率)
2025年7月112,262 人31,460 人28.0%
2024年12月126,754 人36,323 人28.7%
2024年7月117,940 人39,272 人33.3%
2023年12月121,554 人37,553 人30.9%
2023年7月120,407 人40,975 人34.0%
2022年12月80,518 人24,782 人30.8%
2022年7月90,299 人27,246 人30.2%
2021年12月89,537 人30,926 人34.5%
2021年7月95,175 人37,516 人39.4%

日本語能力試験(JLPT)N1のレベル・難易度

日本語能力試験(JLPT)N1は最上級のレベルであり、非常に高度な日本語能力が求められます。
複雑な文章や高速での聴解、高度な文法・語彙の理解、総合的なコミュニケーション能力が試されます。

前述のデータからもわかるように、合格率は30%から40%の範囲で変動し、難易度の高さが窺えます。

日本語能力試験(JLPT)N1の試験日

日本語能力試験(JLPT)N1の試験日は通常、年に2回開催されます。
一般的に12月と7月に実施されますが、その年によって日程が変更されることがあります。

試験当日は午前と午後に分かれており、午前中にはリーディング(読解)と文法・語彙のセクションが、午後にはリスニング(聴解)と総合問題が行われます。

受験者は指定された会場に出向き、試験官の指示に従って試験を受けます。
試験の時間割や詳細なルールは、試験当日に会場で提供されます。

詳細は、公式サイトを参照してください。

日本語能力試験(JLPT)N1の過去問・問題集

日本語能力試験(JLPT)N1の過去問や問題集は、公式サイトや専門の書籍で入手できます。

▼公式サイト
公式サイトでは、過去の試験問題や模擬試験のサンプル問題を提供しています。これらの問題を解くことで、実際の試験形式や難易度を把握し、対策を立てることができます。
『問題例 N1 言語知識(文字・語彙・文法)・読解』
『日本語能力試験-JLPT/N1』

▼書籍・問題集
また、書籍にはさまざまな出版社から発売されているJLPT N1の対策書や問題集があります。これらの書籍には、詳細な解説や解答例が付属しており、自己学習や予備試験の準備に役立ちます。
『日本語能力試験 公式問題集 N1』
『合格できる日本語能力試験 N1』
『全科目攻略! JLPT日本語能力試験ベスト総合問題集N1-言語知識(文字・語彙・文法)・読解・聴解』

日本語能力試験(JLPT) N1保有者の能力評価ポイント

日本語能力試験(JLPT)N1合格には膨大な学習時間と高い戦略が必要とされます。
合格者がどのような学習を経て、どのようなビジネススキルを習得しているのか、5つの評価ポイントとして解説します。

複雑な文法・語彙の習得による「理解力」

N1合格には、適切な参考書を通じて高度な文法パターンや広範な語彙を完璧に理解する基礎体力が不可欠です。
この学習を経た人材は、社内の公文書や専門的な報告書において、日本人と同等の精度で内容を把握する「理解力」を備えています。

過去問演習で培われた「論理的思考力と速読力」

N1の過去問は出題傾向が非常に高度であり、限られた時間内で抽象的な文章を読み解く必要があります。
演習を繰り返した人材は、膨大なメールやマニュアルの中から迅速に要点を抽出し、情報の論理構成を詳しく理解する「速読力」と「論理的思考力」に長けています。

自己分析に基づいた「継続的な改善姿勢」

N1合格には、自身の弱点を客観的に特定し、反復学習を通じてそれを克服するプロセスが求められます。
多様な教材やオンラインツールを駆使して自らの課題を解決してきた経験は、入社後の業務においても自発的にスキルアップを図る「継続的な改善姿勢」として期待できます。

日本のメディアに触れることで培われた「文脈理解」

合格者の多くは、新聞の読解やテレビ・ラジオの視聴、日本語での日記作成など、日常的に日本語を使う「実践的な学習」を積み重ねています。
これにより、単なる言葉の理解を超えて、日本の商習慣やコミュニケーションにおける「文脈(空気を読む力)」を備えています。

反復学習による「知識の定着と業務の正確性」

難解な知識を定着させるための「定期的な復習」を習慣化している点は、実務における大きな強みです。
一度覚えたことを忘れないための緻密な学習習慣は、ケアレスミスを防ぎ、質の高い成果物を継続的に出し続ける「業務の正確性」に直結します。

日本語能力試験(JLPT)N1合格者のメリット

学校(大学・短大)

大学進学において、N1合格証明書を提出することで、日本語の習得能力をアピールすることができます。
特に日本の大学や短期大学に進学する場合、一部の大学では日本語能力試験の合格を必要条件としているところもあります。

また、奨学金を申請する際にも、N1合格は語学力の証明として有利になります。

就職・転職・アルバイト

日本国内の就職活動において、N1合格は大きなアドバンテージとなります。
多くの企業が日本語能力を求めており、N1合格者は高い言語スキルを持っていると見なされます。

転職を考える場合も、日本国内の企業や外資系企業での転職において、N1合格は高いポジションや給与を得るための重要な要素となります。

また、日本でのアルバイト活動においても、日本語能力が求められる場面があります。特に接客業や教育関連のアルバイトでは、N1合格者の応募が優先されることがあります。

(参考文献)
日本語能力試験JLPT(2022),『「日本語能力試験とは」国際交流基金 日本国際教育支援協会』(2022年11月11日取得)

日本語能力試験(JLPT)N1の人材を採用する3つのメリット

ここでは、日本語能力試験(JLPT)N1人材を採用する企業の3つのメリットについて紹介いたします。

抽象的な指示や「背景」まで理解できる基礎能力

N2レベルまでは「何をすべきか(Do)」の理解にとどまりがちですが、N1レベルの強みは「なぜそうするのか(Why)」という論理構成や抽象的な概念を理解する語彙力がある点です。

業務マニュアルに書かれていないイレギュラーな事態や、複雑な事情を含む業務フローを説明する際にも、過度に平易な言葉へ噛み砕く必要が少なく、日本人社員に近い感覚で教育を進めることができます。

社内文書やマニュアルの「読解スピード」が速い

契約書のような専門的すぎる文書は別として、一般的な「社内規定」「業務日報」「通達メール」であれば、翻訳なしでスムーズに読み解くインプット能力があります。

N2以下の人材に比べて、「漢字が読めないから教えてほしい」「翻訳ツールを使うので時間がかかる」といった事が圧倒的に少なく、情報のキャッチアップが早い点は、現場にとって大きな戦力となります。

日本語教育のコスト削減と早期の戦力化

通常の外国人材採用では、入社後に数ヶ月間の「日本語研修」が必要なケースも少なくありません。
しかし、N1保有者であればその工程を大幅に短縮、あるいは省略可能です。

基礎的な語学力があるため、日本人社員と同じ業務研修(OJT等)に最初から参加させることができ、教育担当者の負担軽減と、現場配属までのリードタイム短縮が期待できます。

日本語能力試験(JLPT)N1の人材を雇用する際の注意点

日本語能力試験(JLPT)N1人材の雇用を検討される場合、高い日本語能力を持っていることから即戦力として期待をしているかもしれません。
しかし、必ずしも以下の理由から即戦力になるというわけではありません。

「N1合格」=「話せる」とは限らない

日本語能力試験(JLPT)はマークシート方式(聴く・読む)であり、会話テストはありません。
そのため「満点合格だが会話は苦手」というケースも珍しくありません。
面接では資格に頼らず、必ず実技や雑談で実際のコミュニケーション能力を確認してください。

ビジネスマナー研修は必須

N1はあくまで「言語知識」の証明であり、日本のビジネスマナーや「空気を読む」といった文化的な対応力を保証するものではありません。
日本人新卒と同様に、名刺交換や電話応対などのビジネスマナー研修を実施することが、定着と活躍のカギとなります。

まとめ

本記事では、日本語能力試験における最上級レベル「N1」の定義から、採用現場における実用性、評価の注意点までを網羅的に解説しました。

最後に、本記事の要点を改めてまとめます。

  • レベル定義
    日本語能力試験の最上位(N1〜N5)であり、幅広い場面で使われる日本語を理解できる能力を判定する試験です。
  • 試験の評価対象
    言語知識(文字・語彙・文法)・読解・聴解の3要素で構成されますが、スピーキングおよびライティングのテストは含まれていません。
  • 難易度と合格率
    合格率は例年30%〜40%の範囲で推移しており、非常に難易度が高いことがうかがえます。
  • 採用のメリット
    抽象的な指示の背景や論理構成を理解できるため、社内文書の読解スピードが速く、教育コストの削減と早期の戦力化が期待できます。
  • 雇用時の注意点
    筆記・リスニング中心の試験であるため「N1合格=流暢に話せる」とは限らず、面接での会話確認やビジネスマナー研修の実施が推奨されます。

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