あいさつレベルの日本語で留学生をアルバイト採用——沖縄・那覇のホテルB社の外国人採用成功事例

この記事のサマリー

  • 企業概要:宿泊業(ホテル客室清掃)/沖縄県那覇市
  • 課題:観光需要に対して客室清掃の人手が慢性的に足りず、日本語要件を課すと応募が集まらない
  • 成果:日本語が「あいさつレベル」の留学生をアルバイト採用(時給1,023円)。直近ではパプアニューギニア・カメルーンの2カ国籍から応募があり、地方エリアでも外国人材の母集団が形成できることを実証

B社の事業概要

B社は沖縄県那覇市でホテルを運営する宿泊事業者です。国内外からの観光客を受け入れており、客室の稼働を支える清掃業務は日々のオペレーションの中核を担っています。

沖縄はホテル・宿泊業の人手不足が全国でもトップクラスに厳しいエリアです。観光シーズンの繁閑差も大きく、安定した清掃人員の確保が経営課題として続いていました。

導入前の課題

課題1:観光需要に清掃人員の供給が追いつかない

客室稼働率が上がるほど清掃の負荷は増えますが、地域の労働力人口には限りがあります。募集をかけても応募が数件しか集まらず、既存スタッフの負担で吸収するしかない状況が慢性化していました。

課題2:「日本語ができる人」に絞ると応募がほぼ止まる

外国人材の採用は視野に入れていたものの、募集要件に日常会話レベルの日本語を求めると、応募数は一気に落ち込みます。一方で要件を下げることには「業務指示が伝わらないのでは」という不安があり、踏み切れずにいました。

課題3:地方エリアで外国人材が本当に集まるのか確信が持てなかった

外国人採用は都市部の話であって、沖縄のような地方エリアでは母集団が形成できないのではないか——。これは多くの地方企業が抱く懸念であり、B社も例外ではありませんでした。

ヨロワーク導入の決め手

B社が導入を決めた理由は、「全国47都道府県で4,000社以上」という実績が、地方エリアでの実効性を裏づけていたことでした。

ヨロワークには246の国と地域から40万人以上の外国人材が登録しています。母集団が大きいということは、都市部だけでなく地方エリアにも一定数の登録者が存在するということです。実際に沖縄県内在住の登録者にもリーチできる点が、導入判断を後押ししました。

また、登録者の約70%が就労制限のない在留資格を持ち、約70%が20〜30代という構成は、シフト勤務が中心となる清掃業務との相性が良好です。応募を待つだけでなく、条件に合う人材へスカウトを送れる機能(平均応募率3.2%)があることも、繁忙期に向けて能動的に動ける手段として評価されました。

導入後の成果

B社の客室清掃求人には、直近でパプアニューギニア・カメルーンの2カ国籍から応募が入りました。「沖縄という地方エリアでも外国人材からの応募が集まる」ことが、実データとして確認できたのは大きな収穫です。

そのなかから採用が決まったのは、以下の人材でした。

  • 在留資格:留学(資格外活動許可あり)
  • 国籍・年齢・性別:パプアニューギニア/24歳/女性
  • 日本語能力:あいさつレベル(日常会話は難しいが、簡単な挨拶はできる)
  • 居住地:沖縄県中頭郡西原町
  • 時給:1,023円(アルバイト)
  • 入社日:2026年8月4日
  • 応募経路:直接応募(スカウトを待たず、求職者側からのアプローチ)

採用者は県内の大学に在学中の留学生で、2027年2月の卒業を予定しています。資格外活動許可の範囲(週28時間以内)での勤務となるため、通学と両立できるシフトを組めたことが決め手になりました。大学から通いやすい立地であることも、継続勤務のしやすさにつながっています。

日本語があいさつレベルでも採用に踏み切れたのは、ホテル客室清掃が「個室内での単独作業が中心」の職種だからです。マニュアル化と指差し確認で品質を担保できる業務設計であれば、会話力よりも丁寧さと再現性のほうが成果に直結します。

担当者からのメッセージ

「募集要件に日本語のレベルを書くかどうか、ずっと迷っていました。書けば安心だけど応募が来ない、書かなければ来るけど不安が残る。結論から言うと、うちの清掃業務は要件を下げて正解でした。客室に入ってからは基本的に一人で作業しますし、手順はマニュアルと現物で示せます。会話でやり取りする場面が思っていたより少なかったんです。それから、沖縄は地方だから外国人の応募なんて来ないだろうと勝手に思い込んでいたのですが、実際には複数の国籍から応募が入りました。地方だからこそ、地元の求人媒体の外に目を向ける価値があると感じています」

まとめ:この事例から学べる3つのポイント

  1. 業務設計が「単独作業中心」なら、日本語要件は下げられる|ホテル客室清掃のようにマニュアル化・指差し確認で品質を担保できる職種では、会話力よりも丁寧さと再現性が成果に直結します。日本語要件を機械的に設定せず、業務の実態から逆算することで母集団は大きく広がります。
  2. 留学生の資格外活動は「週28時間以内」を前提にシフトを組む|在留資格が「留学」の場合、就労は資格外活動許可の範囲内に限られます。通学と両立できるシフトを提示できるかどうかが、応募と定着の分かれ目になります。通いやすい立地はそのまま採用力になります。
  3. 地方エリアでも外国人材の母集団は形成できる|沖縄という地方エリアの求人に複数国籍から応募が集まりました。全国47都道府県・4,000社以上の導入実績が示すとおり、外国人採用は都市部だけの選択肢ではありません。地元媒体で母集団が作れない企業ほど、効果を実感しやすい打ち手です。