この記事のサマリー
- 企業概要:教育・保育(認定こども園)/大阪府高槻市
- 課題:園児に多文化に触れる機会を提供したいが、日本語要件を満たす外国人スタッフが採用できない
- 成果:日本語が「あいさつレベル」のフランス国籍人材を異文化交流担当としてアルバイト採用。求人には283件・60カ国以上から応募が集まる圧倒的な人気求人に
C社の事業概要
C社は大阪府高槻市で認定こども園を運営する学校法人です。長年にわたり地域の幼児教育を担い、園児一人ひとりの好奇心を伸ばす保育方針を掲げています。
近年は「幼児期から多様な文化に触れる経験」を教育プログラムに組み込む方針を打ち出しており、その担い手として外国人スタッフの採用を検討していました。
導入前の課題
課題1:多文化教育を担える人材が地域の求人市場にいない
園児に異文化を届ける役割は、日本人スタッフの研修では代替が難しい領域です。しかし「海外出身で、幼児と関われて、高槻市周辺に住んでいる人」という条件で探すと、地域の一般的な求人媒体では母集団がほぼ形成できませんでした。
課題2:日本語要件を設定すると候補者がいなくなる
保育現場という性質上、日常会話レベルの日本語を求めるのが自然な発想です。しかしその要件を課した瞬間に候補者はほとんど残らず、「多文化教育をやりたいのに人がいない」という膠着状態が続いていました。
課題3:在留資格ごとの就労可否が分からず、判断に踏み切れない
外国人材を採用するにあたって、どの在留資格ならどこまで働けるのかが分からない——これも採用検討を止めていた大きな要因でした。特に勤務時間の上限がある在留資格とそうでないものの違いは、シフト設計に直結します。
ヨロワーク導入の決め手
C社が導入を決めた理由は、「多文化そのもの」を求める求人に対して、圧倒的な国籍の多様性を持つ母集団にアプローチできる点でした。
ヨロワークには246の国と地域から40万人以上が登録しています。特定の国籍に偏らない母集団であることは、「どの国の文化を届けるか」を採用側が選べることを意味します。全国47都道府県・4,000社以上の導入実績も、教育・保育という異業種での運用に踏み切る安心材料になりました。
また、登録者の約70%が就労制限のない在留資格を持ち、約70%が20〜30代という構成は、園児と年齢の近い感覚で関われる人材を求めるC社のニーズと合致していました。応募を待つだけでなくスカウトを送れる機能(平均応募率3.2%)や、約75%が転居に前向きという点も、募集エリアの制約を外せる根拠として評価されています。
導入後の成果
C社が掲載した「未経験歓迎・外国人活躍中/幼稚園で子どもたちと異文化交流」の求人には、283件・60カ国以上から応募が集まりました。反響データの内訳は以下のとおりです。
- 国籍:フィリピン22名/ドイツ21名/インド21名/ナイジェリア16名/フランス14名 ほか計60カ国以上
- 年齢層:20代135名/30代94名/40代30名/10代14名/50代以上10名
- 在留資格:留学86名/特定活動79名/家族滞在42名/技術・人文知識・国際業務26名/日本人の配偶者等16名
- 居住地:大阪府158名/京都府36名/兵庫県29名/東京都13名/奈良県8名
大阪府内在住が158/283(約56%)、留学・特定活動の若年層が165/283(約58%)を占めており、通勤圏内かつ意欲の高い層から厚い反響を得られたことが分かります。
最終的に採用が決まったのは、以下の人材でした。
- 在留資格:特定活動(ワーキングホリデー)
- 国籍・年齢・性別:フランス/23歳/女性
- 日本語能力:あいさつレベル
- 居住地:大阪府大阪市東淀川区
- 雇用形態:アルバイト
- 入社日:2026年8月10日
- 応募経路:直接応募(スカウトを待たず、求職者側からのアプローチ)
採用者は大学の交換留学プログラムでインドネシアに滞在した経験を持ち、異文化コミュニケーション力・適応力・好奇心・忍耐強さを強みとしています。日本語はあいさつレベルながら、海外生活で培った開放的な思考と学習意欲が、園児に「異文化そのもの」を届ける存在として高く評価されました。
担当者からのメッセージ
「日本語が上手な方を採ろうとしていた頃は、まったく人が集まりませんでした。発想を変えて『未経験歓迎・外国人活躍中』と打ち出し、求める価値を”完璧な日本語”ではなく”異文化に触れさせてくれること”に置き直したら、応募が283件も来たんです。60カ国以上から反響があって、正直こちらが驚きました。採用した方は日本語こそあいさつレベルですが、海外での留学経験があって、新しい環境に飛び込むことを楽しめる方です。子どもたちにとっては、言葉が完璧かどうかより『違う国の人が身近にいる』こと自体が学びになります。求人票の書き方ひとつで、こんなに世界が変わるのかと実感しました」
まとめ:この事例から学べる3つのポイント
- 「完璧な日本語」ではなく「多文化であること」を価値に置き換える|求人設計そのものを「未経験歓迎・外国人活躍中」に転換したことが決め手でした。日本語レベルを要件から外し、代わりに異文化背景そのものを評価するポジションとして設計すれば、母集団は劇的に広がります。
- 特定活動(ワーキングホリデー)は就労時間の制限がない|在留資格が「留学」の場合は週28時間以内の制約がありますが、特定活動(ワーキングホリデー)ならフル稼働が可能です。在留資格ごとの就労可否を理解しておくことが、シフト設計と採用判断のスピードを左右します。
- 訴求が的確なら、応募283件・60カ国以上という母集団が作れる|大阪府内在住が約56%、留学・特定活動の若年層が約58%と、通勤圏内かつ意欲の高い層から厚い反響がありました。スカウトを送らない直接応募だけでも採用に結びついており、求人票の訴求設計が最大のレバーであることを示しています。

