「求人を出しても日本人の応募が来ない」「若手を採用したいが、コストが高くて難しい」
こうした悩みを多くの企業が抱えています。その解決策として注目されているのが「外国人採用」です。
一方で、「言葉や文化の壁が心配」「ビザ手続きが複雑そう」「海外から呼ぶのはコストも時間もかかるのでは?」と不安を感じていませんか?
実は、その不安は「日本国内に住む外国人(国内在住者)」を採用することで解消できます。
すでに日本で生活している人材は即戦力となり、今最もリスクが低く、コストも抑えられる新しい採用手法として注目されています 。
本記事では、外国人採用のメリット・デメリット、費用相場、そして「国内在住者を採用するための具体的な方法」までをわかりやすく解説します。
外国人の労働市場の現状
日本で働く外国人は、コロナ明け以降年々増加しています。

(出典)「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)
厚生労働省が発表した外国人雇用状況の届出状況によると、2024年の外国人労働者数は約230万人を超え、届出が義務化された2007年以降、過去最多を更新しました。
2023年と比較すると、約25万人(12.4%)増加しており、今後も増加傾向が続くと見られます。
外国人労働者が増加している背景には、日本人の労働者不足が大きく関わっています。
帝国データバンクが雇用過不足に関するアンケート調査を行った結果、「正社員の人手不足」と感じている企業の割合は、2025年10月時点で51,6%、非正社員では28,3%と人手不足が深刻な状況を示しています。

日本の労働者不足の現状
さらに、パーソル総合研究所から労働者人口に関する未来推計も発表されており、2030年に625万人の労働力不足、2035年には761万人も不足すると推計されています。

これらのデータからもわかるように、日本の人手不足は深刻で、今後も悪化していきます。
そのため、新たな労働力として外国人が注目されており、多くの企業が外国人の雇用を始めています。
主な産業別・国籍別の傾向
人手不足により、多くの企業で外国人採用が活発化しています。

(出典)「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)
産業別の割合で見ると、「製造業」が598,314人(26%)で最も多く、次いで「サービス業」354,418人(15.4%)、「卸売業、小売業」298,348人(13%)と様々な業界で外国人労働者が働いていることがわかります。
人手不足はどこの業界も大きな問題となっており、その解決策の一つとして外国人雇用が広がっています。
続いて、日本で働いている外国人の国籍を見てみましょう。

(出典)「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)
国籍別外国人労働者の割合を見てみると、ベトナムが570,708人(24.8)で最も多く、次いで中国が408,805人(17.8%)、フィリピンが245,565人(10.7%)で、この3ヵ国で全体の5割を占めています。
外国人労働者の中でも、東南アジアに属する国が多く、これは技能実習や特定技能という在留資格で来日する外国人が年々高まっていることが理由に挙げられます。
近年は、在留資格「特定技能」の新設や「技能実習制度」の見直しによる「育成就労制度」の移行など、制度改革も進んでいます。
さらに、永住者や配偶者ビザ、留学生からの転職など、「国内在住」の外国人労働者が急増しているのが大きな特徴です。
・人手不足に伴って外国人労働者が年々増加傾向
・2035年には、日本人労働者が761万人不足する
・日本国内に多くの即戦力となる外国人材が増えている
外国人採用のメリット
外国人雇用の現状を把握したうえで、ここからは、外国人雇用の主なメリットについて見ていきましょう。

人材不足の解消と若手人材の確保
日本における少子高齢化の進行により、特に労働集約系(運輸・飲食・宿泊・医療・清掃・農業)や技術・専門職系(情報通信・建設・専門サービス)等の業界において労働力の不足が深刻化しています。
また、従業員の高齢化に伴い、将来を担う若手への技術継承が難しくなるなど、若手人材の不足も大きな問題になっています。
しかし、これらの問題に対して外国人労働者の雇用は、労働力不足を解消する有効な手段となります。
外国人の雇用により、企業は生産性を維持し、技術継承も行いながら成長を推進するためのリソースを確保できます。
社内のグローバル化・多様性の推進
外国人労働者は、異なる文化背景や言語を持つため、日本人とは異なるアイデアや視点を提供できます。
これにより、企業は新しいアプローチや戦略を探求し、競争力を向上させる機会を得ることができます。
また、多様性のある労働力を雇用することは、従業員の生産性と創造性を高めるきっかけにもなります。
外国人が加わることによって、日本人従業員がコミュニケーションを取ろうと外国語を覚え、自発的に社内のグローバル化が促進された事例もあります。
英語や中国語など多言語対応ができるスタッフが増えることで、インバウンド需要や海外顧客への対応力も高まり、企業に多様性を与え成長に繋がります。
海外進出や新規ビジネスのきっかけ
海外進出を計画する企業は、その国の文化や言語に精通した外国人労働者を受け入れることで、現地での事業展開を円滑に進めることができます。
例えば、現地の文化や言語を理解している外国人労働者は、市場適応力を高めるのに貢献し、事業展開をスムーズに進める重要な役割を果たしてくれます。
外国人労働者は、グローバルな顧客に対して円滑なコミュニケーションを取り、海外でのビジネスネットワークの構築やパートナーシップの強化といった事業展開に貢献できるでしょう。
新しい視点やスキルの獲得
日本人が当たり前だと思っていた常識に対し、外国人から「なぜこうするのですか?」と素朴な疑問を投げかけられることで、業務改善のヒントが得られることがあります。
また、ITスキルなど特定の分野において、日本人以上に高いスキルを持つ人材も少なくありません。
特に若い外国人労働者は、エネルギッシュで労働意欲が高く、企業全体に活気をもたらすことが期待されます。
外国人労働者は、商品開発やサービス改善の現場でも、多様な視点でイノベーションを生み出します。
採用の新たな選択肢
日本人の採用活動をしていても、「応募が来ない」「求める人材がいない」と採用に限界を感じる企業が多くなってきています。
そうした状況に「外国人」の存在は新たな選択肢を与えてくれます。
外国人の採用市場は、まだ競合が多くはなく、採用の可能性が日本人よりも高い傾向にあります。
そのため、「日本人では応募が0だったのに、外国人は10件応募が入った」「地方の企業でも若い外国人を採用できた」といった、日本人では実現できていなかった採用事例が多くあります。
このように、採用の幅を外国人に広げることで、人手不足を解消することにも繋がります。
外国人採用のデメリットとその解決策
外国人採用には多くのメリットがある一方で、いくつかの課題も存在します。
ここでは、初めての外国人採用でよく起きるデメリットと、「採用手法の工夫」を軸とした解決策をご紹介します。

言語の壁・コミュニケーションの課題
外国人労働者とのコミュニケーションは、言語や文化の違いによって困難な場合があります。
言語の障壁や文化の相違により、意思疎通が正しく行えず、業務上においての誤解やトラブルが生じる可能性があります。
そのため、優しい日本語を話す意識や翻訳機を使い母国語で対応できるようにする等、相手の日本語レベルに合わせたコミュニケーションを取る必要があります。
なお、日本語を話せる外国人であれば、コミュニケーションにおける課題は発生しません。
しかし、日本語能力が高い外国人は需要が高いため、競争率も高くなる傾向にあります。
日本人のように日本語を話せる外国人の採用はハードルが高くなりますが、実は、日常会話レベルの外国人を採用するだけでも、コミュニケーションの課題を解決できる可能性があります。
「日常会話レベルの日本語ができる国内在住者」を採用する。
海外から呼び寄せる場合、日本語能力が未知数なことが多いですが、国内在住者(特に留学生や永住者、定住者等の就労経験者)であれば、日本語能力試験(JLPT)のレベルとして、N2(ビジネスレベル)〜N3(日常会話レベル)を持つ人材が多く、コミュニケーションのハードルを下げる事ができます。
外国人労働者の日本語能力やコミュニケーションスキルに合わせた対応や採用をすることで、コミュニケーションにおける課題を解決できます。

文化・価値観の違い
外国人労働者を採用する際には、文化的な違いが課題として挙がります。
ビジネスエチケットや職場での行動規範、さらには言語のニュアンスまで、日本の文化は特有の繊細な要素を有しています。
こうした日本の文化と違う文化を持っている国も存在しているため、異文化を背景に持つ外国人との間で「時間を守らない」「報告・連絡・相談(ホウレンソウ)がない」といった文化ギャップによる問題が起きることがあります。
そのため、企業は外国人労働者に対する理解と配慮が不可欠であり、適切なカルチャートレーニングと教育が必要です。
トレーニングプログラムを通じて、日本の労働法、労働慣習、社会的エチケット、日常生活に関する深い理解を提供し、外国人労働者が新しい環境と文化に迅速に適応し、生産性を向上させる手助けを行います。
ちなみに、この文化的な違いによる問題を「採用する際の工夫」だけで解決できる場合もあります。
「日本の生活習慣に慣れている人材」を採用する。
来日直後の外国人の多くは、日本のルールを理解できていません。
しかし、日本での居住歴が長い、あるいは日本のコンビニや飲食店等の労働経験がある人材なら、日本の「時間厳守」や「挨拶」のマナーをすでに身につけており、文化的な問題が起きにくい利点があります。
個々のニーズに合わせたトレーニングとサポート体制を整備し、定期的なフィードバックと改善の機会を提供することが重要です。
多様な文化を尊重し、違いを理解することで、日本人と外国人が快適に働ける職場環境を構築できます。

教育・トレーニングコスト
外国人労働者を採用する際には、新しい環境への適応と必要なスキルの習得のために、研修などの教育が必要です。
例えば、日本人なら説明しなくていい「暗黙の了解」を一から教える必要があるため、初期教育に時間がかかると言われています。
そのため、新しい環境への適応をサポートするプログラムやメンターシップを導入することで、外国人労働者の速やかな適応とスキル向上を助けます。
こうしたサポートにより、彼らが早期に生産性を発揮し、キャリアの成長と発展を支援できます。
教育とサポートの提供にはコストと時間がかかるかもしれませんが、それは投資であり、長期的には企業の生産性と効率性の向上に寄与します。
日本での就業経験がある在留外国人材を選ぶ。
日本文化やマナーを理解しており、定住志向のある人材は長期的に働く意欲が高いことから、教育コスト・定着リスクを大きく下げられる可能性があります。
また、メンター制度やOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)の導入でサポート体制を整えることで、より早くスキルが向上し、職場環境にも適用できます。

法律・規則の理解と遵守(在留資格を含む)
外国人労働者を採用する際には、労働法や入管法などの法律や規制に対する理解と遵守が必要です。
法律の解釈や適用は複雑であり、特に法律の変更や新しい規制に追随することは困難な場合もあります。
さらに、特定の外国人労働者の数を超える場合、法律により外国人労働者雇用労務責任者の配置が義務付けられることがあり、努力義務ではありますが企業は管理体制を整備する必要があります。
また、外国人労働者が適切な就労資格を持っているかどうかを確認することも重要です。
在留資格の管理や更新手続きは複雑で、知らずに不法就労を助長してしまうリスクがあります。
不法就労は厳罰化されており、企業は従業員の就労資格を確実に確認する責任があります。
外国人の採用においては、法令を遵守し、適切な法的アドバイスを受けるための仕組みを確立することが求められます。
しかし、全ての企業が外国人雇用に関する法令に精通することは難しいのではないでしょうか。
そこで、外国人雇用をする際に、とある制約を設けることで不法就労のリスクを下げることができます。
「就労制限のないビザ」を持つ外国人を雇用する。
「永住者(特別永住者含む)」「日本人の配偶者等」「定住者」「永住者の配偶者等」の4つの身分系在留資格を持つ外国人は、日本人と全く同じように、どんな職種でも、労働法に沿った勤務時間も働くことができます。
複雑なビザ手続きが不要なため、法的リスクを最小限に抑えられます。
「海外在住者」と「国内在住者」採用の違い
外国人採用を行う場合、海外に住んでいる外国人と日本国内に住んでいる外国人の2つのパターンがあります。
それぞれの違いについて、メリットとデメリットでまとめました。
| 項目 | 海外在住者の採用 | 国内在住者の採用 |
|---|---|---|
| 採用コスト | 高い 渡航費、引っ越し費用、ビザ申請代行費、送出し機関への手数料などがかかる。 | 安い(日本人採用と同等) 渡航費などは不要。採用媒体費や紹介料のみで済む。 |
| 入社までの期間 | 長い(4ヶ月〜半年以上) 在留資格認定証明書の交付やビザ発給に時間がかかる。 | 短い(2週間〜1ヶ月程度) 在留資格の変更手続きのみや不要の場合が多く、即戦力化しやすい。 |
| 日本語・文化理解 | 低い 学習してきても実用レベルでないことが多い。「日本の常識」を一から教える必要がある。 | 高い 日本の生活に慣れており、ゴミ出しや電車通勤などの生活習慣、職場の空気を理解している。 |
| 生活サポート | 負担大 住居、携帯、銀行口座、役所手続きなど、ゼロからの生活立ち上げを全てサポートする必要がある。 | 負担小 すでに住居や口座を持っているケースが多く、最低限の手続き変更で済む。 |
海外在住の外国人を採用する場合、ビザ申請や渡航費などに手間とコストが大幅に発生し、言語や日本文化の理解が未知数な懸念点があります。
▼海外にいる外国人を採用する詳しい方法はこちら
「外国人雇用の流れ~海外にいる外国人を採用する方法~」
そうした懸念点が払拭されるのが「日本在住の外国人」です。
日本に住んでいるため、渡航費などは不要で求人媒体等の採用活動費用のみで済みます。
また、日本での就労経験がある方が多いため、言語や文化の懸念も緩和されます。
そのため、初めて外国人雇用を検討する場合は、ハードルが低い日本在住の外国人がおすすめです。
そこで、ここからは日本在住の外国人を採用する際の流れをご紹介いたします。
外国人採用のステップ
国内在住の外国人を採用する場合、そのフローは日本人の採用と大きく変わりません。
ただし、「在留資格(ビザ)」の確認だけは必ず行う必要があります。

1.採用の目的を決める
最初に、外国人を雇用する目的を明確にする必要があります。
「どんな業務か」「必須の日本語レベルは?」「雇用形態は?」など、目的を明確にすることで、適切な候補者を見つけるための方向性を確立できます。
2.採用目的に適した人材を募集する
次に、採用目的に合った人材を募集します。
募集方法としては、人材紹介や求人掲載など日本人と同様の手段で募集することができます。
外国人に特化した求人掲載サービスを提供している会社(ヨロワーク)もありますので、一定数の母集団形成を希望する場合は、活用していきましょう。
3.書類選考・面接
適切な候補者を見つけたら、書類選考や面接を実施して評価を行います。
書類選考では、履歴書や職務経歴書を確認します。面接では「会話力」と「人柄」を中心に見ていき、候補者のスキルや経験を詳しく探り、採用目的に合致しているかどうかを確認します。
4.【重要】在留資格の確認
書類選考や面接の際に日本人の採用と異なり重要になるのが、「在留カード」のチェックです。
在留カードとは、外国人が日本で3ヶ月以上滞在する際に携帯義務がある身分証明書です。
在留資格によって就労有無や職種が変わってきますので、自社の職種に合致する在留資格かを必ず確認しましょう。
5.内定・契約
最終的に、選ばれた候補者と雇用契約を締結します。
契約内容は雇用条件や給与、労働時間、福利厚生などを含みます。
また、必要な場合、労働許可やビザの手続きを行い、スタッフが合法的に働けるようにしましょう。
6.入社・受け入れ
初めての外国人雇用であれば、受け入れ体制を整えておくと、入社後はスムーズに業務に従事してもらえます。
例えば、日本語のレベルに合わせたマニュアル作成や翻訳機の導入などにより、受け入れをスムーズに行えます。
また、現場の日本人従業員への周知と理解を徹底し、外国人が働きやすい環境を整えておくことで、早期離職のリスクを低減することができます。
必要な手続き・確認事項(在留資格、雇用契約など)
外国人を採用する前と後で、確認しておくことや必要な手続きがあります。
この過程を怠ると不法就労や外国人労働者とのトラブルが起きる可能性があります。
雇用前(採用前)に必要な手続き
面接時には必ず「在留カード」の実物を確認してください。
見るべきポイントは以下の通りです。
表面:「就労制限の有無」をチェック

【就労制限なし】
どの職種でも採用OK(永住者、定住者、配偶者など)。
【在留資格に基づく就労活動のみ可】
決められた職種のみOK(技術・人文知識・国際業務など)。
【指定書により指定された就労活動のみ可】
特定技能など。パスポートの指定書を確認する必要あり。
※「就労不可」と記載されている場合は原則採用NG(留学生、家族滞在など)。
裏面:「資格外活動許可欄」をチェック

表面が「就労不可(留学など)」であっても、裏面に「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」というスタンプがあれば、アルバイトとしての採用が可能です(フルタイムでの正社員雇用は不可)。
※アルバイトでも「原則週28時間以内」という就労時間に制限がありますので注意しましょう。
また、必ず有効期限が切れていないか必ず確認するようにしましょう。
在留カードが偽造されているケースも稀にあります。
出入国在留管理庁の「在留カード等番号失効情報照会」サイトで番号を照会することをお勧めします。
雇用時(採用時)に必要な手続き
次に、雇用時に関する手続きについて詳しく説明します。
外国人を雇用する際に特に注意が必要なのは、雇用契約書です。
労働契約の締結と契約書の作成
外国人を採用する前に、労働契約を締結し、雇用契約書または労働条件通知書を作成する必要があります。
これらの書類は、就労ビザ(在留資格)の申請に必要であり、また外国人労働者とのトラブルを未然に防ぐためにも役立ちます。
なお、契約書を作成する際には、求職者の母国語や理解しやすい言語で記載し、特に在留資格が交付されなかった場合の取り決めなどを含めることがおすすめです。
雇用契約書と労働条件通知書の違い
雇用契約書と労働条件通知書は、給与や職務内容について記載される点では共通していますが、労働条件通知書は労働者への一方的な通知であり、労使間での合意が不要です。
一方、雇用契約書は労働者と雇用者が合意したことを証明する書類です。
外国人を雇用する場合、トラブルを未然に防ぐためにも雇用契約書の使用が推奨されています。
雇用後(採用後)に必要な手続き
最後は、外国人雇用後に行うべき手続きについて紹介します。
アルバイト・正社員に共通して必要になる手続きです。
に必要な手続き-1024x683.jpg)
- 雇用保険加入の手続き
外国人労働者が雇用保険に加入するための手続きです。
雇用契約が成立した日から被保険者となる月の翌月10日までに提出します。
この手続きにより、外国人労働者の雇用保険加入が正しく行われます。
- 健康保険・厚生年金加入の手続き
外国人労働者が健康保険と厚生年金に加入するための手続きです。
雇用契約が成立した日から5日以内に提出します。
これにより、外国人労働者が日本の社会保障制度の下で適切に保護されます。
- 中長期在留者の受け入れの届出
雇用する外国人が中長期在留者(在留カードを交付されて日本に3ヶ月を超えて在留する外国人)※である場合、「外国人雇用状況の届出」を行います。
※特別永住者、外交、公用を除く
外国人労働者の雇用及び離職の際に「外国人雇用状況の届出」を義務づけられており、届出を怠ったり、虚偽の届出を行った場合には、30万円以下の罰金の対象となります。
届出が必要な場合は、雇用保険被保険者となる場合とならない場合で提出期限が変わります。
①雇用保険被保険者となる外国人の届出(雇用保険に加入する)
雇用する場合は翌月10日までに、離職の場合は翌日から起算して10日以内に提出。
②雇用保険被保険者とならない外国人の届出(雇用保険に加入しない)
雇用と離職の場合、ともに翌月末日までに提出。
提出先はハローワーク(公共職業安定所)やインターネットから可能です。
- 雇用保険被保険者資格取得届
日本人と同様に、週の所定労働時間が20時間以上、かつ31日以上の雇用見込みがある場合は、国籍を問わず加入義務※があります。
雇い入れた日の属する月の翌月10日までに、管轄のハローワークへ提出します。
なお、雇用保険被保険者資格取得届については、「外国人雇用状況の届出」という手続きを兼ねています。
そのため、雇用保険に加入しない場合は「外国人雇用状況届出書」を提出する必要がありますので、ご注意ください。
※特別永住者については雇用保険の資格取得届(および外国人雇用状況の届出)の対象から外れるため、申請は不要になります。
正社員(契約社員)の入社後に必要な手続きと書類
正社員(契約社員含む)のみに発生する手続きがありますので、ご紹介いたします。
「契約機関届出」と「活動機関届出」
外国人労働者が退職または転職する際、「契約機関届出」と「活動機関届出」のどちらかを出入国在留管理庁に14日以内に届出を行う必要があります。
通常、本人が届け出を行いますが、本人の署名がある場合、会社が代理で提出することも可能です。
外国人労働者が届出を忘れる可能性があるため、企業からの案内が役立ちます。
届出は在留資格に応じて「契約機関届出」と「活動機関届出」の2つに分かれます。
- 契約機関届出
高度専門職、研究、技術・人文知識・国際業務、介護、興行、技能など、就労(契約)を目的とする資格 - 活動機関届出
教育、留学、研修、教授など、教育・研究を目的とする資格
届出が不要な資格
以下の在留資格を保有する外国人は届出が不要になります。
- 就労制限のない資格
永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者 - 一部の活動
芸術、宗教、報道、技能実習などは対象外
在留資格の更新
雇用している外国人労働者の在留期限が切れる前に、在留資格の更新手続きを行う必要があります。
外国人社員は、在留期限日の3か月前から更新手続きを始めることができます。
更新手続きは外国人本人が行いますが、企業側は必要な資料を準備し、フォローを行います。
更新手続きができていない場合、在留期限が切れると「不法残留」となり、企業は「不法就労助長罪」に問われる可能性がありますので、注意しましょう。
更新手続きが完了することで、外国人労働者の在留資格が更新され、継続して日本で働くことが可能となります。
外国人採用のコスト
外国人採用は「費用が高そう」というイメージはないでしょうか?
実際に、海外から呼び寄せた場合のコストは高くなる傾向にあります。
しかし、採用のターゲットを「日本に住んでいる外国人」に切り替えるだけで、コストは数分の一に抑えられる可能性があります。
そこで、ここでは「海外から呼び寄せた外国人」と「日本在住の外国人」の採用コストをご紹介いたします。
「海外採用(特定技能など)」vs「日本在住の外国人採用」のコスト比較
正社員を雇用した際の採用コスト相場はこちらです。
| 項目 | 海外から呼び寄せ (特定技能・技能実習) | 国内在住者の採用 |
|---|---|---|
| 初期費用(紹介料等) | 50万〜100万円以上 | 数万円〜(求人掲載費や人材紹介の費用など) |
| 渡航費 | 10万〜20万円(企業負担) | 0円 |
| 支援委託費(月額) | 2万〜4万円/人(毎月発生) | 0円(※特定技能・技能実習生以外は不要) |
| 住居・生活立ち上げ費 | 10万〜20万円(家具家電等) | 0円(※すでに生活基盤あり) |
| 採用までの期間 | 4ヶ月〜半年以上 | 最短2週間〜 |
| 手間・書類 | 多(入管手続き、支援計画) | 少(日本人とほぼ同じ) |
このように、海外から人材を呼ぶ場合(特に特定技能や技能実習)は、渡航費や監理団体・支援機関への支払いが発生するため、採用コストが高くなります。
一方で、国内在住者(特に特定技能や技能実習生以外)を採用する場合は、日本人を採用するコストと大きく変わりません。
なお、在留資格の種類を変更して採用する場合(例:留学生 → 技術・人文知識・国際業務)、在留資格変更許可申請の手続きが必要です。
行政書士などに代行してもらうと、10万~20万程度の別途費用が必要になります。
採用する外国人が就労制限の範囲内であれば、在留資格変更手続きは不要なため、初めて外国人雇用をする場合は職種の対象となる在留資格保持者を採用することをおすすめします。
ちなみに、アルバイト雇用については、日本在住の外国人が対象となるため、求人掲載費用などのサービス利用料のみとなる事が多く、採用コストは日本人とほとんど変わりません。
採用手法別の特徴と選び方
外国人の採用手法別による、特徴と選ぶポイントをご紹介いたします。
人材紹介会社(エージェント)
- 特徴
候補者を個別に紹介してくれる。 - 費用
成功報酬型(年収の20〜35%程度=例:年収400万の場合35%で140万円) - メリット
手間が少ない。 - デメリット
コストが高い(1人あたり100万円以上になることも)
求人広告(Web媒体)
- 特徴
日本人と同様に求人広告を掲載し、応募を待つ。 - 費用
数万円~ - メリット
コストが安い(月額掲載費や低額な成果報酬)。
多くの候補者にアプローチできる。 - デメリット
自社で選考する必要がある。 - おすすめ
ヨロワークなどの「国内在住者」に特化した求人サイトであれば、ビザ確認済みの人材や日本語ができる人材が多く登録しており、コストパフォーマンスが最も高い手法と言えます。
採用手法によって、コストが大きく異なってきます。
特に、海外から呼び寄せる場合はビザ申請費用などが発生するため、高額になります。
候補者のスクリーニングも任せたい場合は人材紹介に、コストを抑えて自社で選考を行える場合は求人掲載を活用してみましょう。

成功する外国人採用のポイント
外国人採用において、採用はゴールではなく「スタート」です。
文化や言語の壁を乗り越え、彼らが自社で長く活躍(定着)するためには、受け入れる企業側の歩み寄りと環境整備が不可欠です。
ここでは、採用後に定着率を高め、組織の戦力として育成するための重要なポイントを解説します。

コミュニケーションの工夫
円滑な業務遂行のためには、日本人社員が「伝わりやすい伝え方」を意識することが第一歩です。
「やさしい日本語」を使う
「業務の合間に」や「なるべく」といった曖昧な表現や難しい熟語は避け、「すぐに」「必ず」と言い換える等の「やさしい日本語」を心がけましょう。
日本人の当然を当てはめない
日本人の間で「当然通用するだろう」ということが外国人に通用しないことも多くあります。
例えば、コミュニケーションを取るとき、日本人では「当たり前」のことでも、外国人にとっては「初めてのこと」と考えます。
「質より量」のコミュニケーションを意識し、一度伝えたことでも何度も繰り返し伝え、指示は詳細かつ具体的にすることが大切です。
「やさしい日本語」については以下の記事で詳しく解説しています。
外国人への「やさしい日本語」|わかりやすく伝わる日本語を解説!
日本人側からコミュニケーションを取る
外国人が日本人従業員の中に入ると、どうしても孤立しがちになります。
新卒社員を受け入れるような気持ちで、業務以外の休憩時間などに日本人側から積極的に声をかけ、孤立させない雰囲気を作ることが大切です。
現場にいる日本人従業員へ、事前に外国人の受け入れ方を伝えておくことで、外国人が働きやすい環境を整えることができます。

文化的配慮と職場環境づくり
国籍が異なれば、宗教や生活習慣も異なります。
「日本のやり方に合わせるべき」と押し付けるのではなく、互いの文化を尊重し合う姿勢が信頼関係を築く土台となります。
①勤怠のルールはすぐに伝える
遅刻・欠勤など業務に関するルールについては、採用後すぐに伝えることをおすすめします。
始めに伝えておかないと「数分は遅れても遅刻にならない」「無断で欠勤する」など文化の違いによるトラブルを事前に防ぐことができます。
ルールを伝える際は、ルールの内容を分かりやすく伝えることはもちろんのこと、その背景や理由も伝えるとよいでしょう。
②宗教・習慣への理解
外国人には、キリスト教やイスラム教等の宗教を信仰している方が多くいます。
そのため、宗教を尊重した職場環境の整備も必要になります。
例えば、イスラム教徒の従業員がいる場合、お祈りの時間やスペースを確保したり、食事のメニュー(豚肉・アルコールなど)に配慮したりすること等が重要です。
こうした配慮をすることで、働きやすい職場環境になり、定着に繋がっていきます。
③母国の文化を尊重する
日本のルールを教えるだけでなく、相手の国の文化や言葉に関心を持つことも大切です。
例えば、日本人社員が簡単な外国語の挨拶を覚えるだけでも、外国人社員の安心感は大きく向上します。
実際に、日本人社員がベトナム語を学ぶことで相互理解を深め、定着に成功している企業の事例もあります。

社内体制や教育制度の整備
日本特有の「見て覚える」という指導方法がありますが、これは外国人材には通用しにくい場合があります。
誰でも同じ品質で業務ができるよう、仕組みを整えることが戦力化への近道です。
視覚的なマニュアルの作成
文字だけのマニュアルではなく、写真や動画を多用したり、漢字にルビ(ふりがな)を振ったりすることで、日本語能力に依存せずに業務を理解できるツールを用意しましょう。
公平な評価とキャリアパス
「外国人だから」と区別せず、日本人と同様の基準で評価し、昇給や昇格のチャンスを与えることが重要です。
「頑張ればリーダーになれる」「スキルアップできる」という将来像(キャリアパス)を提示することで、モチベーションと定着率が飛躍的に向上します。


企業が守るべきルール・法的注意点
外国人を雇用する際に気を付けることは法律です。
就労や待遇面など、知らなかったでは済まされない、コンプライアンス(法令遵守)のポイントをお伝えします。

日本人と同等の待遇義務
労働基準法により、国籍を理由とした差別的な待遇(賃金を安くする等)は禁止されています。
最低賃金の遵守はもちろん、日本人従業員と同じ業務内容であれば、同等の給与・待遇にする必要があります。
「日本語のコミュニケーションが困難」「登録支援機関を通じて採用された」「将来の見通しが限定的」などの理由から、外国人労働者が低い賃金で雇われる傾向があります。
しかし、「同一労働同一賃金」の原則は、外国人労働者にも適用されますので、不当に低い賃金を支払うことは許されませんので注意しましょう。
外国人労働者の賃金については以下の記事で詳しく解説しています。
【2023年最新】外国人労働者を低賃金で雇用するのは違法!最低賃金と正しい給与設定
不法就労防止・在留資格確認
外国人を雇用する際は、必ず在留カードを確認し、自社の職種に適した在留資格かを必ず確認しなければなりません。
就労してはいけない在留資格を持つ外国人を雇用すると「不法就労助長罪」に問われます。
もし不法就労者(ビザ切れや、働けないビザの人)を雇用してしまった場合、企業側も「不法就労助長罪」に問われ、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります。
不法就労助長罪となる例は、主に以下3つです。
①日本に滞在する資格がない者を雇用する場合
雇用した外国人の方が、不法残留者や不法入国者に該当する場合、雇用している側に不法就労助長罪が問われます。
②労働することが認められていない者を雇用する場合
観光目的で日本を訪れた外国人を日本で雇用する場合や、家族滞在・留学生の在留資格を持っている外国人が「資格外活動許可」を保持せずに、アルバイトとして採用する場合などが該当します。
例え、滞在する権利がある外国人でも、労働するには労働するための許可が必要になります。
③労働が認められている範囲外で雇用する場合
就業可能範囲や時間を超えて労働させた場合も、不法就労助長罪の対象です。
就労許可があればすべての業務に従事できる訳ではありません。
就業可能な範囲外と知っているにもかかわらず雇用した場合はもちろん、仮に知らない場合でも罰せられてしまいます。
「知らなかった」では通用しませんので、必ず在留カードを確認して不法就労防止に取り組みましょう。
不法就労については、以下の記事で詳しく解説しています。
不法就労助長罪って何?罪となる事例や企業が取るべき対策について徹底解説!
差別禁止・多様性の尊重
日本の労働法では、国籍や宗教に基づく差別は厳しく禁止されています。
そのため、採用選考において、国籍だけで不採用にしたり、特定の国籍を排除するような募集を行うことは避けましょう。
候補者の適性や能力を採用の主な基準として考え、公平な選考が求められます。
また、様々な国の文化や価値観を受け入れることで、多様性が生まれて新たな事業の創出や生産効率向上に繋がる可能性があります。
日本人と外国人が互いに尊重し合える環境を整えて、多様性を活かした労働環境にしていきましょう。
まとめ
本記事では、外国人採用の現状からメリット・デメリット、具体的な採用手順までを解説してきました。
日本の労働人口が減少し続ける中、外国人採用はもはや「特別なこと」でも「難しいこと」でもなく、企業の存続と成長のために取り組むべき採用戦略となりました。
外国人採用では、採用手段によって採用のハードルが大きく変わります。
特に、以下の3点を押さえておけば、初めての外国人採用でも失敗するリスクは極めて低くなります。
- 「海外からの採用」ではなく「国内在住者」をターゲットにする事で、コストと手間を大幅に削減できる。
- 「身分系ビザ(永住・定住・配偶者)」を持つ人材なら、就労制限がなく、日本人と同じように長期雇用が可能。
- 「在留カードの確認」さえ徹底すれば、法的リスクは回避できる。
こうしたポイントを押さえることで、外国人採用のハードルはぐっと下がります。
初めての外国人採用の場合は、ぜひ国内在住の外国人から始めてみましょう。
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