2025年12月、政府は外国人材の受け入れに関する新たな運用方針案を示しました。
運用方針案の中で最も注目すべきは、特定技能制度における受け入れ見込み数(上限数)の「引き下げ」です。
政府は2024年度から2028年度までの5年間における特定技能の受け入れ上限を、当初計画していた82万人から約80万人(80万5700人)へと縮小する方針を固めました。
2027年導入の「育成就労」と合わせると総数は123万人規模になりますが、特定技能単体で見ると、AI活用などを理由にその門戸は当初の想定よりも狭められています。
本記事では、国が示した「枠の縮小」が意味するものと、競争が激化するこれからの採用市場で企業がとるべき戦略について解説します。
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政府は2028年度末までの外国人材受け入れ見込み数(上限)を、新制度「育成就労」と「特定技能」で「123万人」とする方針を提示。 - 枠の縮小
特定技能については、2024年度からの5年間の上限数を、当初の82万人から約80万人へ下方修正。 - 背景
AIやロボットによる「生産性向上」を前提に、外国人への依存度を安易に高めないよう厳格に精査。 - 対策
海外人材の枠が抑制される中、制限を受けない「永住者・定住者」などの国内人材の確保がより重要に。
特定技能の枠を「82万人→80万人」へ縮小
今回の新方針案では、特定技能の受け入れ枠が拡大ではなく「抑制」されました。
当初の計画:2024〜2028年度(5年間)で最大82万人
今回の方針:同期間で最大80万5700人(約1.4万人減)
期間は同じ5年間ですが、上限数が引き下げられており、当初の計画よりも厳格な運用方針へ転換された形となります。
なぜ減らされたのか?「生産性向上」への厳しい要求
この引き下げの背景には、「安易に外国人に頼る前に、やるべきことがある」という政府の強いメッセージがあります。
AI(人工知能)やロボット技術、DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務効率化を進めることで、必要な人員数を抑えることが可能であると判断されました。
つまり、企業は「人手が足りないから外国人を採用する」という単純な図式ではなく、「省人化投資を行った上で、それでも不足する部分に限って外国人を受け入れる」という姿勢が求められているのです。
外国人受け入れ見込み数が「123万人」へ
一方、新制度「育成就労(2027年開始予定)」では約42万人を見込んでおり、特定技能と合わせた外国人材の受け入れ見込み数は、2028年度末までに123万人程度と設定されました。

しかし、特定技能の枠が厳格化されたことを踏まえると、海外からの人材獲得はこれまで以上に「狭き門」となる可能性があります。
「枠があるからいつでも呼べる」と構えていると、計画通りの採用ができなくなるリスクが高まっています。
参考:外国人労働者、上限123万人の政府案 特定技能と育成就労の19分野 | 毎日新聞
枠の縮小でも対抗できる「国内に住む在留外国人」
国の受け入れ枠がシビアになる中で、企業はどのように人材を確保すればよいのでしょうか。特定技能への依存度を下げ、リスクを分散させるための有効な手段が、「国内に住む在留外国人」の採用です。
日本には現在、約396万人の外国人が暮らしており、その中には就労制限のない在留資格を持つ人々が多く含まれています。
「永住者・定住者・配偶者」なら枠の制限なし
特に以下の在留資格を持つ外国人は、特定技能のような「分野ごとの受入れ人数枠」の影響を受けません。
- 永住者
- 定住者
- 日本人の配偶者等
彼らはすでに日本で生活しており、日本語能力や日本の商習慣への理解も深い傾向にあります。
特定技能の枠が厳しくなるこれからの時代において、「国の制限を受けずに採用できる即戦力」として、その価値はますます高まっています。
まとめ
政府による新方針は、外国人採用における「量」の拡大よりも「質(生産性)」の向上を優先する内容となりました。
最後に、本記事の要点を改めてまとめます。
- 方針
2028年度末までに、育成就労と特定技能合わせ最大123万人の受入れを目指す。 - 注意点
特定技能の上限は、当初の82万人から約80万人に縮小(厳格化)された。 - 対策
海外人材の枠に依存せず、制限のない「永住者・定住者」などの国内人材を確保することが、採用難を乗り越える鍵となる。
ヨロワークでは、日本国内に住む36万人以上の外国人会員が登録しており、その多くが「就労制限がない」永住者や定住者のため、「制度の厳格化」に左右されない安定した採用活動が実現できます。
日本社会への理解が深い多くの外国人材が登録していますので、人材不足の課題解決に向けた一つの選択肢として、ぜひご活用ください。
外国人採用に関するご質問は「ヨロワーク」へお気軽にご相談ください。

