ワーキングホリデーのドイツ人30代女性をカフェスタッフに採用、日本語N4でも即戦力に——大阪市浪速区の商業施設内カフェF社の外国人採用成功事例

この記事のサマリー

  • 企業概要:飲食・ホスピタリティ業(カフェ運営)/大阪府大阪市浪速区の商業施設内店舗
  • 課題:接客とキッチンを兼ねるカフェスタッフの母集団が集まらず、日本語力を基準にすると候補者が一気に狭まっていた
  • 成果:応募20名・13の国と地域から母集団を形成し、ワーキングホリデー(特定活動)のドイツ人30代女性を直接応募で採用。2026年8月1日入社

F社の事業概要

F社は、大阪市内でカフェを運営する飲食・ホスピタリティ企業です。今回募集を行ったのは大阪市浪速区の商業施設内にある店舗で、地元客と観光客が入り混じる立地特性から、ドリンク・フード提供に加えて多国籍のお客様への接客対応も求められるポジションでした。

募集職種はカフェスタッフ(アルバイト)。求人票の段階から「外国人採用経験あり・留学生歓迎」と明示し、日本語レベルは日常会話レベル(N4相当)を条件に設定していました。

導入前の課題

接客とキッチンを兼ねる人材が集まらない

商業施設内のカフェは、ピークタイムにドリンク製造・フード調理・ホール対応が同時に立ち上がります。どれか一つだけできる人材ではシフトが組みにくく、「現場で手が動く人」を探すこと自体がボトルネックになっていました。

日本語力を基準にすると候補者が一気に減る

外国人採用に前向きな一方で、「接客がある職種だからビジネスレベルの日本語が必要ではないか」という懸念が社内にありました。しかし基準を上げるほど母集団は縮小し、募集が長期化するというジレンマを抱えていました。

就労時間の制限が読みにくい

アルバイト採用では、在留資格によって週の就労可能時間が変わります。シフトの穴を埋めたい店舗にとって「どの在留資格ならフルに近い稼働が可能なのか」が事前に判断しづらく、選考の途中で条件が合わないと分かるケースもありました。

ヨロワーク導入の決め手

ヨロワークは、日本在住・就労資格ありの外国人材に特化した求人メディアです。登録者は40万人以上、出身は246の国と地域に及び、導入企業は全国47都道府県で4,000社以上にのぼります。F社が評価したのは、次の3点でした。

1つの求人で多国籍の母集団が形成できる

登録者の出身が246の国と地域に分散しているため、特定の国籍に絞らずに募集しても複数国から応募が集まります。今回の求人では、実際に13の国と地域から応募が集まりました。

就労制限のない在留資格が約70%

ヨロワーク登録者のうち、職種制限のない在留資格を持つ人が約70%を占めます。永住者・定住者・日本人の配偶者等に加え、ワーキングホリデー(特定活動)も含まれるため、アルバイト採用でも稼働時間を確保しやすい候補者にアプローチできます。

働き手の中心が20〜30代、転居にも前向き

登録者の約70%が20〜30代で、転居に前向きな人が75%。スカウト機能の平均応募率は3.2%と、待つだけでなく企業側から動ける設計になっています。今回は掲載求人からの直接応募での採用となりました。

導入後の成果

募集開始後、この求人には20名の応募が集まりました。応募者の内訳は次の通りです。

  • 国籍:13の国と地域(イラン/オーストラリア/日本/ブラジル/フランス/韓国/アメリカが各2名、中国/アルゼンチン/ナイジェリア/スペイン/ベトナム/ドイツが各1名)
  • 年齢層:20代11名・30代7名・40代1名・10代1名
  • 在留資格:特定活動7名・留学6名・日本人の配偶者等2名・技術・人文知識・国際業務2名・定住者1名
  • 居住地:大阪府15名・兵庫県3名・京都府1名・埼玉県1名(4分の3が大阪府内在住)

この母集団から採用が決まったのは、ドイツ国籍の30代女性でした。

  • 国籍・年齢:ドイツ/30歳/女性
  • 在留資格:特定活動(ワーキングホリデー)
  • 日本語能力:日常会話レベル(JLPT N4取得済み)
  • 居住地:大阪府大阪市浪速区(店舗と同一区内)
  • 経歴:母国で看護学校を経て大学で心理学を専攻。来日後はカフェ・バーのキッチンスタッフとして複数店舗を経験
  • 語学:ドイツ語ネイティブ/英語ビジネスレベル/スペイン語日常会話
  • 応募経路・雇用形態:掲載求人からの直接応募/アルバイト
  • 入社日:2026年8月1日

決め手になったのは日本語力ではなく、カフェ・バーのキッチンで積んだ実務経験が複数社にわたっていたことでした。加えて、特定活動(ワーキングホリデー)は職種・就労時間の制限がないため、シフトを厚く入れられる点も評価されています。看護師資格を持つ大卒層がカフェ求人に応募してくるのは、ワーキングホリデー人材プールの層の厚さを示す一例といえます。

居住地が店舗と同じ区内であることも、シフトの安定という観点でプラスに働きました。応募者の4分の3が大阪府内在住という結果も、地元で長く働ける人材を探す店舗型ビジネスと相性の良さを裏づけています。

担当者からのメッセージ

「正直なところ、接客がある職種なので日本語はもっと必要だと思い込んでいました。ただ実際に面接してみると、キッチンで何をどの順番でやるかが体に入っている方で、こちらの説明を待たずに動けるんです。日本語のレベルよりも、現場で手が動くかどうかの方が採用の決め手になりました。ワーキングホリデーの方は就労時間の制限がないので、繁忙期のシフトも組みやすい。応募も20名近く、しかも十数か国から集まったので、こちらの選択肢が一気に広がった感覚があります。日本語を条件で絞り込みすぎると、こういう方に出会えないまま募集が長引いていたと思います」

まとめ:この事例から学べる3つのポイント

  1. 日本語レベルより「現場スキル」で見極める
    日本語は日常会話レベル(N4相当)でしたが、カフェ・バーのキッチン経験が複数社にわたっていたことが評価されました。接客職であっても、業務のどこを任せるかを整理すれば日本語の要求水準は下げられます。基準を1段下げるだけで母集団は大きく広がります。
  2. ワーキングホリデー(特定活動)は稼働時間の制限がない
    留学生は週28時間という上限がありますが、特定活動(ワーキングホリデー)は職種・就労時間の制限がありません。シフトを厚く入れたいアルバイト採用では、在留資格を「NGリスト」ではなく「稼働可能量の指標」として読むのが有効です。
  3. 国籍を絞らない募集が想定外の人材を連れてくる
    今回は13の国と地域から20名が応募し、看護師資格を持つ大卒層まで含まれていました。国籍を限定せずに募集することで、自社では想定していなかった経歴の候補者と出会えます。加えて応募者の4分の3が同一府内在住で、通勤・定着の面でも現実的な母集団になりました。