日本語あいさつレベルのインド人留学生を交通誘導で採用、半年で50名・29カ国が応募——東京都豊島区の警備L社の外国人採用成功事例

この記事のサマリー

  • 企業概要:東京都豊島区を拠点に交通誘導・警備業務を手がけるL社
  • 課題:警備は「日本人しか無理」という前提が根強く、日本語要件で足切りをすると応募が集まらない。シフトを埋める人員が確保できずにいた
  • 成果:日本語があいさつレベル(N5相当未満)のインド人留学生(31歳・男性/資格外活動許可あり)を交通誘導スタッフとして採用。日給10,400〜11,800円、2026年9月9日就業開始。求人には半年で50名・29の国と地域から応募が集まった

L社の事業概要

L社は東京都豊島区を拠点に、交通誘導を中心とした警備業務を行う企業です。工事現場やイベント会場などで、車両と歩行者の安全を確保する仕事が中心になります。

今回募集したのは、交通誘導スタッフ(アルバイト)。日給10,400〜11,800円(時給換算約1,475円)で、求人票には「給料の前払い可能」「寮の相談OK」を明記していました。

導入前の課題

「警備は日本人しか無理」という思い込み

警備業は、来客対応や緊急時の連絡を想定して日本語要件を高く置きがちな職種です。「日本語ができないと任せられない」という前提のまま募集をかけると、そもそも応募できる外国人材がほとんどいなくなります。人手不足の主因が、実は自社の要件設定にあるというケースは珍しくありません。

シフトが埋まらない

交通誘導は現場ごとに必要人数が決まるため、頭数がそろわないと案件そのものを受けられません。日本人の応募が細るなか、シフトを安定して埋められる人員をどう確保するかが恒常的な課題でした。

来日直後の求職者に届く条件を出せていない

来日して間もない求職者は、住まいと当面の生活費という2つの不安を抱えています。この不安に答える条件を求人票に書けていないと、そもそも検討の土俵に乗りません。逆に言えば、書き方ひとつで届く層が変わります。

ヨロワーク導入の決め手

L社が外国人求人メディア「ヨロワーク」を選んだ理由は、母集団の規模と、その属性の広さでした。

  • 登録者40万人以上・246の国と地域:全員が日本在住・就労資格あり・在留資格確認済み。国籍と日本語レベルの幅が広い
  • 20〜30代が約70%:立ち仕事・シフト勤務の中心層が厚い
  • 就労制限のない在留資格が約70%:永住者・定住者・日本人の配偶者等など、週28時間の壁を受けない層を狙える
  • 転居に前向きな登録者が75%:寮の相談ができる求人なら、通勤圏の外まで母集団を広げられる
  • 導入企業4,000社以上(全国47都道府県)/スカウト平均応募率3.2%:待ちの募集と指名の両方で人を集められる

そのうえでL社が打ったのが、「給料の前払い可能」「寮の相談OK」という2枚看板を求人タイトルに出すという一手でした。

導入後の成果

この求人には半年間で50名の応募が集まりました。内定に至ったのは次の人材です。

  • 国籍:インド
  • 年齢・性別:31歳・男性
  • 在留資格:留学(資格外活動許可あり/2027年3月卒業予定)
  • 日本語レベル:あいさつレベル(N5相当未満)
  • 居住地:東京都新宿区
  • 本人の希望:正社員就労・ビザ取得サポート。将来的な正社員転換の意欲あり
  • 雇用形態・日給:アルバイト/日給10,400〜11,800円
  • 就業開始:2026年9月9日
  • 応募経路:直接応募(応募日 2026年8月6日)

応募50名は29の国と地域にまたがりました。国籍別ではアメリカ7名・フランス5名と欧米圏が最多層で、在留資格では特定活動(ワーキング・ホリデー等)が14名。「給料の前払い可能」「寮の相談OK」という条件が、来日直後で手元に資金がない層に届いた結果と読めます。

在留資格の内訳は留学19名/特定活動14名/永住者・定住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等が11名(22.0%)。就労時間の制限がない層が2割いるため、週28時間の壁を避けたいシフトはここを狙い撃ちできます。年齢層は20〜30代が8割、都外からの応募も34.7%(千葉9名・埼玉4名ほか)ありました。

採用が決まった人材は、日本語こそあいさつレベル。しかし交通誘導は指示が定型的で、研修とジェスチャーでカバーできる職種です。Nレベルよりも体力とシフトの安定が優先されるという判断で採用が決まりました。

もう一点、この事例で見逃せないのが追いかけ方です。8月7日の面接がいったんキャンセルになり、8月19日に再設定。さらに本人が8月31日まで他社のアルバイトを続けていたため「8月31日に連絡して確定」という段取りで、企業とカスタマーサクセスが粘り強くフォローして9月9日の就業開始まで着地させました。応募から就業までの間に離脱させない運用が、そのまま採用実績になっています。

担当者からのメッセージ

「警備は日本人でないと難しい、と長いあいだ思っていました。ただ交通誘導の仕事を分解してみると、旗の出し方も声かけも手順が決まっていて、研修とジェスチャーで十分伝わるんです。日本語のレベルより、体力があってシフトに安定して入ってくれることのほうが現場では大事でした。求人票に『給料の前払い可能』『寮の相談OK』と書いたところ、半年で50名、29の国と地域から応募をいただけた。来日したばかりで手元にお金がない方には、この2つが本当に効くのだと分かりました。今回の方は面接が一度流れたのですが、あきらめずに日程を組み直して、他社のアルバイトが終わるタイミングまで待ちました。追いかけ続けてよかったと思っています」

まとめ:この事例から学べる3つのポイント

  1. 「日本語あいさつレベル」でも警備は採用できる
    交通誘導は指示が定型的で、研修とジェスチャーでカバーできます。Nレベルより体力とシフトの安定が優先される職種です。日本語要件で足切りしている企業ほど、この事例が効きます。
  2. 「前払い可」「寮の相談OK」は、求人タイトルに出す
    この2つを打ち出した結果、半年で50名・29の国と地域から応募。しかもアメリカ7名・フランス5名と欧米圏が最多層で、特定活動(ワーキング・ホリデー等)が14名でした。来日直後で手元に資金がない層に、条件がそのまま刺さっています。
  3. 応募から就業までを追いかけきる運用が、そのまま採用実績になる
    面接キャンセル→再設定→他社バイト終了待ちという段取りを、企業とカスタマーサクセスで粘り強くフォローして就業開始まで着地させました。母集団を作るだけでなく、決まりかけた1件を落とさない運用が採用数を左右します。