産業の多様化と複雑化、そして少子高齢化による国内人材の不足によって、日本では外国人採用がますます増えています。
そして外国人採用を推進、下支えするために、国は様々な助成金を用意し、事業者への支援を行っています。
本記事では、そのような助成金はどのような仕組みで、どこからもらうことができるのかについてご紹介します。

助成金と補助金の違い
外国人採用の際に事業者が受け取ることのできるお金は、大きく分けて二種類存在します。
一つ目は、経済産業省の管轄である、補助金です。
補助金は主に中小企業の支援を目的とし、財源は法人税となっています。
事業者に対する募集は年数回に限られ、加えて、補助金を受け取る際には厳しい審査が必要となるため、受け取る難易度は高いです。
二つ目は、厚生労働省の管轄である、助成金です。
助成金は主に労働者の労働環境の改善を目的とし、財源は雇用保険料となっています。
事業者に対する募集は随時行われており、一定の条件を満たせばどんな企業でも受給できる点で、補助金よりも受け取る難易度が低いです。
助成金の財源となっている雇用保険料は、雇用保険の加入者である労働者が失業保険や育児休業給付などの公的サービスを受けるために払っている掛け金です。
労働者と事業者両方が負担するもので、事業の種類によって労働者は賃金の0.50%、事業者は賃金の0.85%の雇用保険料を負担します。
この雇用保険料から、外国人採用をはじめとするさまざまな労働者に関する助成金が支払われています。
補助金と助成金の間には、どこの省庁が管轄しているのか、財源がどこからきているのか、そして給付の基準に主な差があります。
この記事では、後者の助成金のなかでも、外国人採用に関するものについて、詳しく解説していきます。
外国人採用に関する助成金の詳細

外国人採用に関する主な助成金には、人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)、キャリアアップ助成金があります。
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)は、厚生労働省による概要では、「外国人特有の事情に配慮した就労環境の整備を行い、外国人労働者の職場定着に取り組む事業主に対して、その経費の一部を助成するもの」とされています。
主な受給要件として、外国人労働者の就労環境整備措置をとっていること、一定期間における外国人労働者の離職率が10%以下であることなどがあります。
受給額は通訳費、翻訳機器導入費、翻訳料、弁護士等への委託料、社内標類の設置・改修費といった支給対象経費のうち、条件によって二分の一(上限57万円)、または三分の二(上限72万円)となっています。
受給にはまず、外国人労働者に関する就労環境整備計画を作成し、各都道府県に設置された労働局の局長から認定を受ける必要があります。
認定されたのち、受給には、申請書のほかに、外国人労働者名簿、労働条件通知書、就労環境整備計画が実施されていることを示す書類等が必要となります。
就労環境整備計画を作成してから計画を実施、助成金の支給を申請してから実際に支給されるまで最低でも1年以上かかることも頭に入れておくとよいでしょう。
※人材確保等支援助成金の手続きや注意点については以下の記事からご確認いただけます。
【2025年最新】外国人雇用で使える助成金一覧|申請方法・注意点も解説
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は、外国人労働者を含む非正規雇用の労働者に対して、企業内での正社員化、処遇改善を目的とした助成金です。
助成金の受け取りには、事業所が対象の労働者に関するキャリアアップ計画を作成し、キャリアアップ管理者を設置すること、そして計画に基づいた取り組みを実施していること等が必要になります。
キャリアアップ助成金の特徴は、助成金がいくつかのコースに分かれて設定されているところです。
コースごとに支給対象労働者や支給対象事業主、支給額等が異なるため、外国人採用に関する助成金をもらいたいと考えている事業者は、どのような待遇を外国人労働者に与えるかを選択し、その内容に沿ったコースで助成金の申請を行うことが必要になります。
コースによっては外国人労働者が支給対象外になるものや必要な在留資格が定められているものがあるため、注意しなければなりません。
※キャリアアップ助成金の手続きや注意点については以下の記事からご確認いただけます。
【2025年最新】外国人雇用で使える助成金一覧|申請方法・注意点も解説
外国人採用の助成金がどこからもらえるのかについてのまとめ
外国人採用に関する助成金は、主に厚生労働省が管轄しており、雇用保険料を財源として労働環境の改善に取り組む事業主に支給されます。
本記事の内容を整理すると、以下の3点が重要なポイントです。
- 助成金と補助金の違い
補助金(経産省)は審査が厳しく難易度が高い一方、助成金(厚労省)は条件を満たせば受給しやすく、外国人採用の強力な後押しとなります。 - 活用すべき2つの主要助成金
就労環境の整備を支援する「人材確保等支援助成金」と、正社員化や処遇改善を目的とした「キャリアアップ助成金」が代表的です。 - 受給のメリット
通訳費や翻訳機器の導入、就業規則の整備といった「外国人採用特有のコスト」を助成金で補うことで、企業の経済的負担と受け入れ不安を同時に解消できます。
外国人採用は、少子高齢化が進む日本において不可欠な戦略です。
助成金という国の支援を賢く活用し、持続可能な雇用体制を築いていきましょう。
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<参考文献>
・人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)|厚生労働省
・人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)ガイドブック|厚生労働省
・キャリアアップ助成金|厚生労働省(令和8年2月現在)
・キャリアアップ助成金助成金支給要領|厚生労働省(令和8年2月現在)

